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北九州市小旅行に出る(後編)


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前編より….

 

氏の言葉を思い出しつつ黒崎駅より折尾に向かう。

もちろん片手には自分自身であると自負するカメラを携えて。

 

土地の者ではない視点を持ちながら車窓を眺めようと右側に席を取る、右側に席を取る、その時点ですぐに目の前に広がる光景を『分かっている』のである。

 

『工場とは生き物である」常にそう感じながらいつもの車窓を眺める、土地の者にとっては見慣れた光景でも、初めて目にする者はきっと驚くことだろう。『三菱化学』大きな工場群なのだ、このような大きい事業所が生活のすぐそばにある、という事に慣れすぎている、新たな目で挑む今日は何か新鮮に感じる。

 

折尾で電車を乗り換えいよいよ若松線、初めて目にする光景に胸が高鳴る、なにせ40年生きてきて初めて乗る路線なのだから。

 

鹿児島本線を走る列車と違う駆動音のする列車が走りだす、ふと窓に目をやると面白い物が目に入る、そこには(扇風機)と書かれた紅白の小さなボタンがあった、という事はこの路線では体感温度の自由が許されているのである。

 

しばらく殺風景な車窓を眺めていると突然目の前に好みの光景が広がる、洞海湾を隔てた先に見える先ほどの『三菱化学』なのだ、この構図は初めてなので少し困惑しながら画角を決めシャッターを数枚切った。

 

確かにこの車窓は面白い、次は若松競艇場前の駅に止まり、そこでなんとも哀愁漂う男の背中にであう、何故そんなにうつむき端を歩くのか、場所が場所だけにグッとくる、『オケラになったのだな』いらぬ詮索も面白い。

 

若松駅までの間に広がる車窓は(殺風景)の中に巨大な重機達が命を与えられ、生きている。

 

そんな印象である、そして若松駅に着いて驚いた。

 

この駅は、終着駅で始発駅なのだ、線路は若松から戸畑へは繋がっていない、これがこのマチを外国と勘違いさせた『それ』なのか。

 

当然、戸畑に渡るには渡船に乗らねばならぬ、北九州の多様性に驚く、市営のポンポン船まで用意しているのだ。

 

ポンポン船には何度も乗った事があるが、電車の旅は初めてなので気持ち新たに感じる。

若戸大橋の下を通る、水面が恐ろしく近い、この二つの要素は旅人であれば尚更興奮を覚えるだろう、このスペクタクルが100円で買える、無駄に渡船を何往復も乗りたくなる。

 

その衝動に後ろ髪を引かれながら戸畑駅に向かい、鹿児島本線を下る、その際も右側に席を取る、ここからは慣れたものだ。

 

戸畑の湾岸に見え隠れする若戸大橋に別れを告げ、新日鐵住金八幡工場を眼下に見ながら黒崎に至る。

 

うん、これは観光だ、北九州の観光として胸を張って案内できる。

 

黒田氏の言われる観光資源として何故売らないのか?という言葉が心に刺さる旅であった。

ほんの半日で回れるこのルート、次回は午前中に出かけて若松でカレーを食べてゆっくり旅をしようと思う。

 

北九州の小旅行、旅人レンズは僕に新たな刺激をくれた、その際に撮った作品はふじいちにひっそりと置くつもり。

 

覗きに来てくださいね。

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