ふじいちぶろぐ

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北九州郷土料理、床炊き。


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北九州の特徴的な食文化。

 

じんだ煮、ぬか炊き、床炊き、いろいろな呼び方があるようだが、私は『床炊き』と呼んでいる。

 

いわし、鯖、など青魚を糠床を入れて煮込む、青魚が多く水揚げされる北九州らしい、理にかなった料理。

 

昔は、家庭で食べる分を、家で作るというものだったのだろうが、今ではお土産品として商売屋でも売られるようになったようだ。

 

一家庭ずつの味があって、好みという点では一番複雑な食べ物かもしれない。

 

それだけに、正解を探すのが難しく、店の商品にするにしても料理屋臭くならないように作ってみた。

 

味のアイデアは、師匠の好みだと聞き及んだ、甘くなく、床がたくさん入ったキレのある味、酒肴になるような感じかな?

 

実際作ってみると、魚を食べているというより、『糠床を食べている』という感覚になる、山椒、唐辛子、柚子、鰹節いろんな味が混じり合って『うまい』のである。

 

コレは計算しずらい、床の入れよう、下味のつけ方で大きく味が変わると思われる、母から受け継いだ味という事になる。

 

母からという事なのだが…..

 

父方の祖母つまり、母から見ると『姑』、私から見ると『おばあちゃん』になる。

 

孫には優しかったのだが、その性格というのはかなり強烈な「頑固者」でとにかく怖かったらしい。

 

祖母の郷里は長崎県島原市、だったからなのか床漬けをやっていなかった、母は出しゃばって床漬けをするわけにもいかず、じっと身を潜めたのは想像に難しくない。

 

姑が他界したのち、母は政権を樹立、糠床行政の整備に勤しみ今に至る、最初の政権運営は難航を極め試行錯誤がつづく。

 

何せ、ゼロからのスタートなのであるから並大抵の事ではない、容器を変え、分量を変え、そして今では糠床を里子に出す余裕まで生まれ、ふじいちも恩恵にあずかる事に。

 

実際、自分でやってみると、混ぜるのを忘れたり、漬けているのを忘れたりと…..

 

なんとか糠床も軌道に乗り、床炊を作る余裕ができ少し料理の幅が広がった、懐石屋ではあるが、北九州らしいものは積極的に作っていく。

 

気がつくと、自家消費してしまっている、恐ろしい魔力を持っている料理であると言う事であった….

 

 

 

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